猫の十戒

1.私の一生はだいたい15年くらいしかありませんが、たまに20年以上生きてしっぽが裂けます。
ほんのわずかな時間でも貴方が離れていると腹が立ちます。
私が家族になってやるから、そのことを覚悟しなさい。
 
2.あなたが私に望むことを理解するつもりはありません。待っても無駄です。
 
3.私を尊敬しなさい。私にとって、それがいちばん大事なことなのです。
 
4.私を長時間叱ったり、罰として閉じ込めたりしてはなりません。
でも狭いところは好きなのでダンボール箱を用意するのは許します。
貴方には仕事や楽しみがありますし、友達だっているでしょうが、でも…私にぎゃくたいされることに勝る楽しみはないはずです。
 
5.いつも私に話しかけなさい。あなたの言うことが何かはどうでもいいですが、私に話しかけるあなたの声はわかるのです。ほめ言葉は特に。
 
6.あなたが私にどんな風に接しているか、私は決して忘れません。恨みは倍返しします。
 
7.私を叩く前に思い出しなさい。私には貴方の手の骨を簡単に噛み砕くことができる歯があるけれど、気が向いたときにしか噛まないようにしていることを。
 
8.私のことを言う事を聞かないだとか、頑固だとか、怠け者だとか叱る前に、まずは自分に問い掛けてみなさい。
たっぷり食事を与えてましたか? それは私の好きなしーばですか? 太陽の下で気持ちよく寝ているのをじゃましませんでしたか?
もしかすると年をとってどこか弱っているのかもしれませんが、どのみち私がしたいことに従わないほうが悪いのですから、あきらめなさい。
 
9.私が年をとっても世話をしなさい。
貴方も同じように年をとりますが、私は年をとってもかわいいのです。
 
10.最期の旅立ちの時には、そばにいて私を見送りなさい。
「見ているのがつらいから」とか「私のいないところで逝かせてあげて」なんて言うのは許しません。なでなさい。なで続けなさい。
かわいいね、いいこだねと言いなさい。言いまくりなさい。
そうすれば私は着換えの時間を少し短くしてやってもよいです。気が向いたらな。
 
※「着換えの時間」というのは、猫はまた猫に生まれ変わる→毛の色が変わる(かも)→毛皮を着替えて再び飼い主の元へ行く時間という意味です。